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あ ウト! いまから勝負しようよ!
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なぜおまえは 目を合わせるたびに 勝負をしかけてくるんだ?
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みんなをギャフンと言わせて 一番にならないと 立派な漁師とはいえないでしょ!
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(いろいろと間違っている 気がするが ここで断ると あとあと面倒そうだな…)
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…しかたない 少しだけだ
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そうこなくっちゃね!
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昼間だからといって 甘く見ていると 後悔することになるぞ?
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勝つのはボクだから 後悔なんてしないよ!
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フン…勝負だ!
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―数分後―
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やった! これより大きいのなんて めったにとれないと思うよ!
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…くっ! そんなはずは…
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ググッ…!
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……いや まて わたしにもツキがまわってきたようだ
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ググ…グググッ!
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しかも かなりの大きさだぞ…!
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えーっ!?
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はぁぁぁぁぁ!!
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ザッパーーン!
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キュイィィ!
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フン…どうだ! わたしの釣り上げたほうが オオモノだぞ…!
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うーん… たしかに大きいけど キミって…本当に魚?
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わたしはニジイルカ 魚ではなくイルカです…キュイ!
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なっ…! なんだと…っ!?
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やった! ボクの勝ちだね!
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くっ…なぜ イルカは魚ではないんだ…
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今夜も「アイツ」は来るだろうな まあ しかたないか…
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うーん… なーんか最近ウトの様子が おかしい気がするんだよなー…
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あっ! それ思ってたよ! ふらふらと ひとりで どこかに行っちゃうんだよね!
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とにかく気になるな…うっし こっそりと後をつけてみるか!
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おっ! いたいた…
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ほら 持ってきたぞ
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ありがとう~♪ いつも助かるわ~
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…えっ? いまウトが話していたの ひょっとして…
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女の子か?
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フン… また うるさくされて 夜釣りができなくなっては 困るからな…
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ヒドいわ~ そんなこと言わずに もっとおしゃべりしまショ♪
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…静かにしてくれ
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あれ? ウト なんだか冷たいね
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きっと あいつなりの 考えがあるんだろ ここは そっとしておこうぜ
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そうだね もう眠いし そろそろ帰ろうよ
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………? なにか聞こえたような 気がしたが…
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あら~? やっぱり アタシとのおしゃべりが 恋しくなっちゃったのかしラ~?
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…それはないぞ 甘いものを渡すかわりに 漁の最中は黙っているという約束だ
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しょうがないわネ~…
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ふぅ…これでようやく 釣りができるな…
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