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はあ…… やれやれ
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ビャッコに イタズラされた 顔のスミが やっと きれいに 落ちました
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…この間の 手合せでは キリンに フカクをとられるし…
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兄弟子としての 威厳というか… 立場があやうい気がします…
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そこの あんた! ワシの目を 描いてくれんか?
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目を…描く?
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自分で 描いてみたのだが… ちょっとイマイチでな そう思うだろう?
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よく 分かりませんが… 私にできることなら 手をかしましょう
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カキカキ……
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(Off-screen) …いかがでしょうか?
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(Off-screen) ふーーむ……
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なんだこの目はー!? 貴様 ワシのこと なめとんのかー!
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ええーーっ!?
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も…もう一度 描きなおさせてください
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カキカキ……
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ダメだ ダメだー! そもそも 基礎が なっとらーん!
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うーん どうしたものか……
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なにしてんだ スザクにーちゃん?
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ビャッコ!
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そこの あんた! ワシの目を 描いてくれんか?
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えっ ラクガキして いいのか? よーし!
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カキカキ……
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あっぱれ! なんと みごとな目!
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やったー!
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ビャッコ殿といったか… あなたのような すばらしい お方に出会えてよかった!
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それでは また!
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またなー!
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……ビャッコ あなたのこと はじめて すこし 尊敬しましたよ
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へっへーん! スザクにーちゃんにも 教えてあげてもいいぞ!
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ただし…
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さっきの イタズラとは 別問題です! さあ こっちへ 来なさい!
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そんなー!
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(Off-screen) お願いだから また おやつ抜きは かんべんしてくれ~~!!
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へっへーん! こっこまで おいでー!
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こらー! ソラさん! 待ちなさーーい!!
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……まったく 逃げ足だけは 一人前なんですから…
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…あのー どなたか知りませんが だいじょうぶですか?
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ハッ… これはこれは お恥ずかしいところを 見られてしまったようですね
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わたくしは ゲンサン 今 逃げて行ったのは 旅の仲間の ソラです
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すこし おてんばが すぎるので お説教を していたところ なんですが……
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ははは なつかしいなあ
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…え?
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ああ しつれい 私も 昔はあのくらい …いや
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あの子以上に ヤンチャで 手のかかる 荒くれ者だったんですよ
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ええっ あなたが… ソラさん以上に?
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その 礼儀正しく なにごとにも まっすぐで
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毎日 かならず ひとつは だれかの役に 立っていると 見受けられますが…?
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は…ははは…
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(こ…この人… 相手のことを すぐに見抜くチカラでも あるんでしょうか…?)
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…私は 師父に会って 変われたのです
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師父は 拳法の技を 教えてくれるだけでなく…
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私の 悪行を …なんというか …まあ たしなめてくださいました…
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…ソラさんのような人が あなたほど落ち着きのある 人になるということは…
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なんとなく… 「たしなめる」というレベルでは すんでいない気がしますが…
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ええ まあ そうですね… あの時はいろいろありました…
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それは もう鬼のように 厳しく…そうぜつな……
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うう…ううっ……
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ああっ!? 無理に思い出さなくて 大丈夫ですよ!
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