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むかしむかしの 思い出じゃ…
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このワシの枝についた葉っぱが さいごの一枚になったとき…
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その葉っぱがおちたら 自分の命もなくなってしまう …と言った者が おってのう
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ま… まさか…! そんなことで 命がなくなるなんてこと… な… ないです…
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そのとおりじゃ もちろん わかっておるよ
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しかし そういわれてしまっては ほうっておくことも できんでのう それで ワシはな…
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こう ワサーっと 葉っぱを 生やしてみせたのじゃ
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ワサーっと…
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ワサーっとじゃ
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そ… それで そのヒトは どうなったんですか?
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それがじゃな… 実は…
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ごくっ… 実は…?
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実は… そやつは ホネになってしまってのう…
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(もしかして… お墓のなかに…?)
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ホレ… あそこじゃ あそこで ねむっておる…
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そ… そんな… それじゃあ 本当に…?
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ぐう… ぐう… おちゃー…
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とてもしあわせそうな顔… …って えー!?
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あ…あのっ…もしかして 葉っぱがおちたら …と言ったのは このヒトですか?
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…はっ! お茶の葉っぱが なくなるくらいなら… この命 つきたもどうぜんなのぢゃ
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こ… このヒトは… たぶん… もともと ホネのヒトだと 思います…!
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んん? そうじゃったかのう?
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長く生きていると こまかいことは どうでも よくなってのう フォッフォッフォ!
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(び… びっくりしました…)
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